新NISAのクレカ積立、年間ポイントは実際いくら?主要4社の条件を一次資料で計算してみた

クレジットカードをそれぞれ手に持つ2人のキャラクターが並んで立つイラスト。クレカ積立のポイント比較をイメージしたアイキャッチ画像。 家計管理

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はじめに:「ポイントが貯まる」の条件、読んでいますか?

新NISAでインデックスファンドを積み立てるなら、クレジットカード積立(クレカ積立)を使わない手はありません。毎月の積立額に応じてポイントが還元されるため、実質的なコストを下げながら資産形成を続けられます。

ただし、各社が宣伝する還元率の数字には、一見わかりにくい「条件」が付いている場合があります。「還元率最大1.1%」という数字を額面通りに受け取る前に、一次資料で条件を確認してみることをお勧めします。

今回は、主要4社のクレカ積立について公式資料を直接参照し、条件込みで年間ポイントを計算しました。


この記事で使用したデータについて

数字の信頼性を担保するため、以下の一次資料を参照しています。

  • 楽天証券:楽天カードクレジット決済 公式ページ(楽天証券株式会社)
  • SBI証券:三井住友カード クレカ積立 公式ページ(三井住友カード株式会社)
  • マネックス証券:マネックスカード サービス概要・ポイント還元率改定のお知らせ(マネックス証券株式会社)
  • 三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券):au PAYカード決済 公式ページ

【Step 1】各社の条件を正確に読む

楽天証券 × 楽天カード(一般)

楽天のクレカ積立で注意が必要なのは、還元率がファンドの「代行手数料」によって変わるという点です。代行手数料とは信託報酬の内訳のうち販売会社(証券会社)に支払われる部分で、低コストインデックスファンドほどこの金額が小さくなります。

代行手数料還元率
年率0.4%以上1.0%
年率0.4%未満0.5%

ここで重要な事実があります。新NISAで人気の低コストインデックスファンドは、ほぼすべてが「0.4%未満」に該当します。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):代行手数料 約0.019%
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン):代行手数料 約0.019%
  • 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド:代行手数料 約0.019%

つまり、新NISAでeMAXIS Slimシリーズなどを積み立てている場合、楽天カード(一般)の実質的な還元率は0.5%です。各社の宣伝文句にある「最大1.0%」が適用されるのは、代行手数料の高いアクティブファンドやバランスファンドを積み立てる場合に限られます。

積立上限は月10万円。ポイントは楽天ポイントで、楽天市場での買い物や投資信託の購入に使えます。

SBI証券 × 三井住友カード(NL)

SBI証券のクレカ積立は、三井住友カードが対象です。年会費無料の「三井住友カード(NL)」の還元率は一律0.5%ですが、2年目以降に条件があります。

前年の年間利用額2年目以降の還元率
10万円以上0.5%
10万円未満0%

クレカ積立の金額は年間利用額の集計対象となるため、積立だけでカードを使っている場合、2年目から還元率が0%になるリスクがあります。

積立上限は月10万円。ポイントはVポイントで、1ポイント=1円として使えます。

マネックス証券 × マネックスカード

マネックスカードは現時点(2026年9月まで)では月5万円まで一律1.1%の還元率です。ただし、2026年10月買付分より還元率の条件が大幅に変更されます

公式の発表によれば、変更後の還元率は以下の通りです。

積立金額カードショッピング5万円以上1万円以上〜5万円未満1万円未満
5万円以下1.10%0.55%0%
5万超〜7万以下0.60%0.30%0%
7万超〜10万以下0.20%0.10%0%

積立以外でマネックスカードを月1万円以上使わないと、2026年10月以降は還元率が0%になります。なお、年会費は2026年10月より永年無料に変更されます。

積立上限は月10万円。ポイントはマネックスポイントで、株式手数料への充当や他社ポイントへの交換が可能です。

三菱UFJ eスマート証券 × au PAYカード

au PAYカード(一般)で月10万円まで一律0.5%のPontaポイントが還元されます。au PAYゴールドカード(年会費11,000円)なら1.0%になります。条件の追加変更は現時点では予定されていません。

ただし、Pontaポイントの主な使い道はauのサービスやローソンなどに限られるため、auユーザー以外にはメリットが薄い面があります。


【Step 2】実額シミュレーション

月3万円・月5万円・月10万円の3パターンで年間ポイントを計算しました。楽天・SBI・三菱UFJは0.5%、マネックスは条件を満たした場合(2026年9月まで)と2026年10月以降(カードショッピング月1万円以上の場合)の両方を示します。

月3万円積立の場合(年間36万円)

証券会社カード還元率年間ポイント
楽天証券楽天カード(一般)※低コストファンド0.5%1,800pt
SBI証券三井住友カード(NL)0.5%1,800pt
マネックス証券マネックスカード(〜2026年9月)1.1%3,960pt
マネックス証券マネックスカード(2026年10月〜、ショッピング月1万円以上)0.55%1,980pt
三菱UFJ eスマート証券au PAYカード0.5%1,800pt

月5万円積立の場合(年間60万円)

証券会社カード還元率年間ポイント
楽天証券楽天カード(一般)※低コストファンド0.5%3,000pt
SBI証券三井住友カード(NL)0.5%3,000pt
マネックス証券マネックスカード(〜2026年9月)1.1%6,600pt
マネックス証券マネックスカード(2026年10月〜、ショッピング月1万円以上)0.55%3,300pt
三菱UFJ eスマート証券au PAYカード0.5%3,000pt
月5万円積立時の各社クレカ積立年間ポイント比較棒グラフ。楽天証券・SBI証券・三菱UFJ eスマート証券が3,000pt、マネックス証券(〜2026年9月)が6,600pt、マネックス証券(2026年10月〜、ショッピング月1万円以上)が3,300pt。

月10万円積立の場合(年間120万円)

証券会社カード還元率年間ポイント
楽天証券楽天カード(一般)※低コストファンド0.5%6,000pt
SBI証券三井住友カード(NL)0.5%6,000pt
マネックス証券マネックスカード(〜2026年9月)1.1%/0.2%7,440pt
マネックス証券マネックスカード(2026年10月〜、ショッピング月5万円以上)1.1%/0.2%7,440pt
三菱UFJ eスマート証券au PAYカード0.5%6,000pt

※マネックスの月10万円は5万円まで1.1%(または0.55%)、5万超〜7万まで0.6%(または0.3%)、7万超〜10万まで0.2%(または0.1%)の段階制で計算。


【Step 3】「改悪」の構造を読む

このシミュレーションを見て気づくことがあります。クレカ積立のポイント条件は、証券会社やカード会社の判断によって予告なく変更されるという事実です。

楽天カードは2022年9月に一律1%から代行手数料連動型に変更されました。マネックスカードは2026年10月にカードショッピング利用額の条件を追加します。SBI証券の三井住友カードも、2年目以降は年10万円の利用が条件です。

マネックスカードの2026年10月条件変更による年間ポイントへの影響を示す棒グラフ。月3万・5万・10万円の積立額別に、現行(〜2026年9月)・ショッピング月5万円以上・月1万円以上・月1万円未満の4パターンを比較。カードショッピング利用が月1万円未満になると還元率が0%になることを示している。

エンジニアリングの言葉を借りれば、ポイント還元は「外部依存の仕様」です。自分ではコントロールできず、いつ変更されるかわかりません。

ポイント還元を「おまけ」として捉え、メインの判断軸を他に置くというスタンスが、長期投資家として合理的な姿勢だと考えます。


【Step 4】ポイントだけで選ばない:トータルで考える

では何を軸に選ぶべきか。私が楽天証券に一本化している理由を、データとともに整理します。

かつては私もSBI証券と楽天証券の両方を使っていました。しかし管理コスト(複数アプリの確認、資産の把握、ポイントの使い分け)が蓄積していくにつれ、以前この問題について書いた通り、複数の金融サービスを使い続けることは「金融インフラの技術負債」そのものだと気づきました。

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楽天証券を選ぶ理由は、ポイント還元率ではありません。

①楽天銀行とのマネーブリッジ 銀行と証券を自動連携させることで、資金移動の手間がゼロになります。普通預金金利も優遇されます。

②楽天カード積立との完全自動化 毎月の積立が完全に自動化でき、楽天ポイントが副産物として貯まります。貯まったポイントはそのまま翌月の積立に充てられます。

③eMAXIS Slimシリーズへのアクセス 新NISAのつみたて投資枠で、信託報酬最安水準のインデックスファンドに積み立てられます。

④7年以上の運用実績 2018年のサービス開始から安定して稼働しており、各種制度変更への対応実績もあります。

ポイント還元率だけを比較すると、マネックスカードが現時点では有利に見えます。ただし前述の通り、2026年10月以降は条件が厳しくなります。また、マネックスポイントの使い道は楽天ポイントほど幅広くありません。「ポイントをどこで使うか」まで含めたトータルで考えると、楽天経済圏を活用している方には楽天証券との組み合わせが引き続き合理的な選択肢だと考えます。

筆者も実践中:金融インフラの統合構成


まとめ:あなたの状況別の考え方

あなたの状況考え方
すでに楽天証券を使っている変更不要。低コストファンドでの実質還元率は0.5%が実態。ポイントは「おまけ」として割り切る
すでにSBI証券を使っている年10万円以上カードを使う習慣があれば問題なし。なければ2年目の還元率0%に注意
マネックス証券を使っている2026年10月以降の条件変更を確認し、カードショッピング利用との兼ね合いで判断
これから始めるポイント還元率より、証券口座・銀行・カードの連携コストを含めたトータル設計で選ぶ

どの証券会社を選んでも、クレカ積立を使って長期で積み立て続けることの方が、ポイント還元率の差よりはるかに重要です。0.5%と1.1%の差は年間積立60万円で3,300円。この差を気にして口座選びに悩む時間より、一日でも早く積立を始める方が合理的です。


データの出典

  • 楽天証券 楽天カードクレジット決済 公式ページ(楽天証券株式会社、2026年6月確認)
  • 三井住友カード クレカ積立 公式ページ(三井住友カード株式会社、2026年6月確認)
  • マネックスカード サービス概要ページ・ポイント還元率と年会費の改定について(マネックス証券株式会社、2026年6月確認)
  • au PAYカード決済(投資信託)公式ページ(三菱UFJ eスマート証券株式会社、2026年6月確認)

※本記事は情報提供を目的としており、特定のサービスへの申込みを推奨するものではありません。ポイント還元率や条件は予告なく変更される場合があります。最新情報は必ず各社公式ページでご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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