【2026年決定版】「楽天S&P500の方が安い」は本当か?運用報告書の『逆・累進課税方式』を考慮したら、やっぱりeMAXIS Slimが最強だった話

異なるS&P500インデックスファンドを象徴する2体のロボットが対峙しているイメージイラスト インデックスファンド

はじめに:「表面上の数字」に騙されていませんか?

新NISAの主役であるS&P500投資信託。 今、SNSやブログ界隈では「eMAXIS Slimより、楽天・S&P500の方が信託報酬が低い」という話題で持ちきりです。

確かに、パンフレット(目論見書)の数字だけを見れば楽天が優っているように見えなくもありません。 「楽天が勝っている。乗り換えるべきか…」 そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし、そのデータには「重大な落とし穴」があることをご存知でしょうか?

今回は、多くの投資家が見落としている「純資産総額による自動割引」の最新データを加味して、コストを再計算しました。 すると、「王者eMAXIS Slimが、実は現在も単独最安である」という衝撃の事実が浮かび上がってきたのです。

証券会社の画面で「楽天」を選んでしまう理由

皆さんが証券会社の検索画面で「eMAXIS Slim」と「楽天・S&P500」を並べた時、最初に目にするのはこんな数字ではないでしょうか?

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    • 信託報酬: 0.0814%(※1兆円未満の部分)
  • 楽天・S&P500
    • 信託報酬: 0.077%

「あれ? 0.0814% と 0.077% なら、楽天の方が安いじゃん!」 「Slimは最強だと思っていたけど、もう時代遅れなのかな?」

こう思って、楽天の方をポチッと買ってしまう。 

実は、この「0.0814%」という数字は、eMAXIS Slimの「表紙の数字」に過ぎません。中身を開けると、全く違う景色が広がっています。

eMAXIS Slimだけの特殊能力「逆・累進課税」

eMAXIS Slimには、他社にはない「受益者還元型」という特殊な仕組みがあります。 これは、ファンドの純資産(みんなから集めたお金)が増えれば増えるほど、段階的に信託報酬が安くなっていくシステムです。

イメージとしては、税金の「累進課税(稼ぐほど高くなる)」の逆バージョン。「集まるほど安くなる(ボリュームディスカウント)」です。

最新の目論見書を見ると、資産規模に応じて以下のように割引が適用されます。

  • 1兆円までの部分: 0.0814%(高い)
  • …(中略)…
  • 5兆円〜10兆円の部分: 0.07579%(楽天より安い!)
  • 10兆円以上の部分: 0.07568%(さらに安い!)

現在、eMAXIS Slimの純資産は10兆円(※記事執筆時点)を上回っています。 つまり、資産の大部分(1兆円を超えた莫大な部分)に対しては、楽天(0.077%)よりも安いレートが適用されているのです。

【決着】電卓を叩いて判明した「真のコスト」

では、この割引システムを加味した「今の瞬間の本当の信託報酬」はいくらなのか? そして、運用報告書に隠された「その他費用」まで足すとどうなるのか?

独自に計算した値がこちらです。

項目eMAXIS Slim (10兆円突破)楽天・S&P500
① 表向きの信託報酬0.0814% (に見える)0.077% (に見える)
② 割引後の信託報酬約0.0766%0.077% (固定)
③ 隠れコスト (実績)0.008%0.012%
★実質コスト合計約0.0846%0.0890%

【結論】 入り口(パンフレット)では負けているように見えましたが、出口(実質コスト)ではeMAXIS Slimの完全勝利です。

楽天も0.089%と非常に優秀ですが、規模の暴力(10兆円)でコストを押し下げ、さらに運用の手腕(隠れコスト)で差をつけたeMAXIS Slimが、依然として「王座」に君臨しています。Slimがわずかに、しかし確実に「最安」の座を守っているのです。

まとめ:乗り換える必要なし

  • eMAXIS Slimを持っている人: おめでとうございます。あなたのファンドは、自動割引機能によって現在も「世界最安水準」です。何もせずホールドしてください。
  • 楽天・S&P500を持っている人: こちらも十分に優秀(誤差レベル)ですので、焦って売る必要はありません。
  • これから始める人: 迷ったら、将来的なさらなる値下げも期待できる「eMAXIS Slim」を選んでおけば間違いありません。

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